エンタメ系Pのネタ帳

エンタメコンテンツトレンドや、時事ネタ、ちょっとした流行など 世の中の面白い情報、アツいことを自分なりに噛み砕いたネタ帳。その他、食べ歩き、料理、言語学習、韓国ネタなど、自分が熱くなれるネタも盛り込んでいきます。

『梨泰院クラス』はスゴかった!

コロナ自粛期間のNetflix二大巨塔!

愛の不時着の次はもちろん、梨泰院クラス!!

 

ストーリー自体を紹介しているブログはほかにもたくさんあると思いますので、この記事では、この梨泰院クラスがどうしてこんなに素晴らしいか、その魅力は何かを、内容面と外堀面ふくめて、自分なりにかみ砕き、ヒットの理由を分析してみました。

 

f:id:shingotk:20200519112558p:image

写真: JTBC公式

 

①梨泰院(イテウォン)という舞台
よく東京でいうと六本木で例えられることが多いと思います。もともと米軍の基地があって栄えた街で、諸外国の大使館なども多く存在し、非常に国際的。韓国のほかの地区とは異色の輝きを放っている場所です。六本木と同じく、英語やそのほかの国の言葉が飛び交い「えっ、ここどこの国だっけ」という錯覚に陥ることもあります。このドラマの登場キャラクターたちのファッションや髪形なども、奇抜ですね。そんなリベラルな街の魅力に魅かれ、多くの韓国の若者たちも、クラブやおしゃれなお店に夜な夜な繰り出していきます。韓国の子たちがタンバムのようなルーフトップカフェ/バーで映え写真撮ってるのをインスタでよく見かけます。

f:id:shingotk:20200526010233j:image

f:id:shingotk:20200526010238j:image

 

セロイが初めてスアに連れられて梨泰院に降り立った時の衝撃。保守的な社会、財閥に牛耳られた経済、貧困階層、、、そういった韓国社会問題の中において、梨泰院だけは全く異質で、果てしない自由と大きな可能性に満ち、どん底から韓国No1に成り上がろうという野望を持ったセロイには、ある種アメリカンドリーム的な匂いをこの街に感じたのではないかと思います。本作品の一番の強いコンセプトは、私はそういうことだと思っています。

 

また、梨泰院クラスは、これまで人々が抱いていた韓国ドラマのイメージを一新したのではないでしょうか?
コロナ自粛とNetflixの配信力も相まって、日本をはじめ多くの国の人がこのドラマを見ている中、世界に向けて、おしゃれで、クールで、ダイバーシティ全開の最新韓国の若者スタイルを映す社会の窓のようなドラマになりました。これもまた新しい韓ドラファン層を広げた原因かと思います。(実際に私の周りでも、普段あまり韓国ドラマ見ない人たちもこれきっかけでハマった人が数多くいます。)

 

ともかく、今後コロナがおさまったら、ロケ地巡りが大変盛り上がると思いますよ!!私も早く行きたい!!

f:id:shingotk:20200521192835p:plain

※ロケ地巡りの詳しい行き方やMapは、ソウル在住ブロガーのMisaさんのサイトに。
https://onemore-korea.site/contents/drama-itaewonclass-200410/

 

 

②ウェブ漫画原作であること

f:id:shingotk:20200526000523p:plain

写真:文化日報よりhttp://m.munhwa.com/mnews/view.html?no=2020021201032139179001

この梨泰院クラスですが、韓国企業カカオが運営する「Daum WEBTOON」から排出されたWebマンガが原作となっています。韓国のWebマンガが、一般的に流行り始めたのは(私の感覚では)2014年ころからでしょうか。Webtoonというサービスを私の周りの韓国人が私にしきりに勧めてくるようになりました。

※WebToon(ウェブトゥーン)とは、主にスマートフォンでの閲覧を想定して作られたコミックで、「オールカラー」「縦スクロール」という特徴があります。スマートフォンやパソコンでマンガを読む習慣が広がっている今、韓国・台湾・タイなどのアジアをはじめ、北米など、国際的に人気が高まっています。
<引用>カカオジャパンプレスリリース 2020年1月14日

それがここ5・6年の間にあれよあれよと、若者からサラリーマンまでいろんな人が読むようになりました。それに比例して、このWebマンガ文化自体が韓国中に浸透して、クオリティ競争力が高まり、より面白い作品、芯のしっかりした物語がどんどん出てきました。

 

やはり、ドラマにしろ、映画にしろ、アニメにしろ、原作脚本の面白さが根底にあるもの。私は普段日本のアニメを海外に販売するような仕事もすることが多いのですが、そこで日本アニメがなぜ面白いのか、という話題になったときに話すことがあります。それは「アメリカがオリンピックで強い理由に近い」ということです。どういう意味かというと、競技人口が多い、いわば競争ピラミットのすそ野の広さが、その頂点にたどり着く者の強さを表しているということです。日本のアニメで言うとそれは、国内最高峰週刊マンガ雑誌・少年ジャンプというピラミットです。その頂点が、今や世界的大人気の「ワンピース」や「ドラゴンボール」「NARUTO」などです。今回の梨泰院クラス大ヒットの理由の一つは、その原作力の強さ、またそれをバックアップしたWebマンガ文化の発展ではないかと考えています。

 

半沢直樹的な大逆転×仲間と戦う強さ
このドラマを見る前に、さきに見た人たちから韓国版半沢直樹みたいな感じ、という声が多く聞こえました。たしかに、長い年月をかけてどん底から這い上がったビジネス復讐劇。倍返し、100倍返し、容赦なき程に徹底的に復讐、、、

 

確かにそうですね、ただ梨泰院クラスの場合はそこに「一緒に戦う仲間の強さ」と、そんな「仲間を自然に引き込むパクセロイのキャラクター」が際立っていることで、より多くの人の支持を集めているのではないでしょうか?

 

f:id:shingotk:20200519112620j:image

写真: JTBCモバイルニュース

 

不器用なまでに実直に、曲がったことは許せない。何よりも、仲間が大切で、「人と信頼」が彼の立ち上げたIC社の企業哲学。また、半沢直樹と違って、パクセロイ一人の力ではなく、IQ162でSNSのフォロワー数76万人のインフルエンサーのイソの全面的(恋に盲目的)な支え(→超優秀なマーケティングマネージャーの役割)であったり、そもそも自分の人生転落のきっかけになった高校時代にセロイがかばったいじめられっ子が、凄腕のファンドマネージャーでありCFO的な存在だったり、最初は敵側に居たカンミンジョン専務を味方につけ、強力な経営アドバイザーとなったり。極めつけは、ただの借金取りのバーさんと思った女性が・・・(ネタばれ禁止www)

パクセロイの魅力に魅かれ、いろんな強力な仲間が徐々に一緒になって戦っていくというストーリー。視聴者もまた同じようにパクセロイワールドに引き込まれていったのだと思います。

 

最後に余談ですがこのパクセロイ、ワンピースでいうルフィをシャイにしたようなキャラですね。「海賊王に俺はなる!」=「大韓民国No1になる!」という大きなビジョンを恥ずかしげもなく宣言し、それに賛同する仲間たち。仲間が大切で、自分一人でというよりは、みんなで力を合わせる強さを信じている点。また、多少の裏切りの場面においても、ルフィで言う「俺たちもう仲間だろ?」的なノリで、仲間を許す寛容の心・・・

 

愛の不時着に続き、梨泰院クラス。全く違うテイストの2作品が連続で、こんなスマッシュヒットなんて、本当に最近のNetflixオリジナルの制作力は目を見張るものがありますね。さぁ、これに続く作品は、今後どんなものが出てくるか、ますます期待が高まりますね!!

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。